金沢大学 総合型選抜の対策|出願から面接・小論文まで徹底解説
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- 2 日前
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▶︎1. 金沢大学の総合型選抜とは?

1.1 KUGS特別入試を中心とした制度の概要
金沢大学では、2021年度入試から「後期試験」を廃止し、代わりに多様な入学者を受け入れるための特別選抜制度を導入しました。
その中核に位置するのが、「金沢大学<グローバル>スタンダード(KUGS)」に基づく特別入試です。
KUGS特別入試は、学力試験だけでなく、課題研究・活動実績・人物評価を総合的に判断する入試方式であり、金沢大学が目指す「多様な人材の育成」を体現しています。従来の学力偏重の入試に比べて、受験生の主体性や探究心が重視されるのが大きな特徴です。
つまり、KUGS特別入試は金沢大学の総合型選抜の中心的存在であり、未来志向の教育方針を象徴する制度といえます。
1.2 超然特別入試・デジタル人材選抜などの特色
金沢大学の特別選抜には、総合型選抜を含む複数の方式が存在します。
その中でも特徴的なのが「超然特別入試」と「デジタル人材選抜Ⅱ」です。
超然特別入試
「超然文学選抜」:大学主催の「超然文学賞」で佳作以上の受賞歴を持つ生徒のみが対象。文学的才能を社会に生かすことを目的とした入試です。
「A-Lympiad選抜Ⅰ」:大学主催の数学コンテスト「A-Lympiad」で優秀な成績を収めた生徒のみが出願可能。高度な数理的能力を評価します。
デジタル人材選抜Ⅱ
情報社会で活躍できる人材育成を目的とし、デジタル技術分野での実績や能力を評価する方式です。第一次選考は書類審査、第二次選考では口頭試問や共通テストが課されるなど、専門性の高さが特徴です。
これらの方式は、特定の分野に秀でた人材を選抜するユニークな入試であり、金沢大学の特色を強く反映しています。
1.3 他大学の総合型選抜との違いと位置づけ
金沢大学の総合型選抜は、一般的な総合型選抜と比較して以下の点で独自性があります。
対象学域の幅広さ
融合学域・人間社会学域・理工学域・医薬保健学域と、多様な学域で実施されており、文系・理系を問わず幅広い分野に対応しています。
地域・社会貢献への重視
医学類KUGS特別入試(総合型Ⅱ/地元育成枠)では、北陸地域での臨床研修や医療貢献を入学条件とするなど、地域社会との結びつきが強い点が特徴です。
学力以外の資質を重視
小論文や課題研究、課外活動報告書などを通じて、受験生の主体性・創造力・課題解決力が評価されます。
このように、金沢大学の総合型選抜は「学力」だけでなく「人物像」や「将来性」を重視する制度であり、全国的にもユニークな入試制度として位置づけられています。
▶ 金沢大学の総合型選抜、最初の一歩は正しい情報収集から
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▶︎2. 学域別にみる金沢大学 総合型選抜の実施内容

2.1 融合学域の入試概要と特徴
融合学域では、文理を横断する幅広い学びを志向する学生を対象に総合型選抜が行われています。小論文や課題レポートを通じて、受験生の思考力・表現力・探究心が問われるのが大きな特徴です。
とくに融合学域では、自ら課題を発見し解決する能力が重視され、学際的テーマに関心を持つ学生に適した入試方式となっています。
重要なポイントは、知識の暗記だけでなく「異なる学問領域をつなぐ力」が評価されることです。
2.2 人間社会学域の入試方式と要件
人間社会学域は、教育・地域創造・国際学類など多様な分野を含んでおり、総合型選抜の要件も細かく設定されています。
評定平均の基準
国語・地歴・公民・英語・数学のうち1教科以上4.3以上、または主要教科全体で4.0以上などの要件があります。学類によっては全体評定3.5以上が必要です。
併願の可否
総合型選抜Ⅰでは専願、総合型Ⅱでは共通テストを利用し併願可能な場合があります。方式によって異なるため注意が必要です。
評価内容
志望理由書や活動報告書に加え、小論文や面接で「地域社会や教育への貢献意欲」が評価されます。
人間社会学域は特に「社会課題への関心」と「主体的な学びの姿勢」が問われる領域です。
2.3 理工学域の総合型選抜と女子枠特別入試
理工学域では、科学技術分野での探究心や研究実績が評価されます。
特に以下の点が特徴的です。
課題論文の提出
生命理工学類では課題論文が必須となり、専門的な知識や論理的思考力が問われます。
共通テスト基準
各学類で概ね540点(60%以上)が目安とされ、基礎学力も重視されます。
女子枠特別入試
理工学域には女子学生を対象とした特別入試が設けられており、STEM分野での女性活躍を推進する取り組みの一環とされています。
理工学域の総合型選抜は、探究活動や研究成果を持つ受験生にとって大きなチャンスとなります。
2.4 医薬保健学域と地域医療に直結する選抜方式
医薬保健学域では、医療従事者としての資質を重視した入試が行われています。
特に医学類のKUGS特別入試(総合型Ⅱ/地元育成枠)は、地域医療への貢献を前提とした制度です。
出願条件
石川・富山・福井の出身者に限定され、卒業後は金沢大学附属病院や指定病院で一定期間勤務することが求められます。
評価方法
共通テストに加え、書類審査・面接で「医療に対する使命感」「地域貢献の意思」が問われます。
薬学類・看護学類などでも、課題レポートや小論文が課される場合があります。
医薬保健学域の総合型選抜は「学力+地域社会への責任感」を兼ね備えた人材を求める入試といえます。
▶︎3. 金沢大学 総合型選抜の出願資格と要件

3.1 KUGS高大接続プログラム・GSC・STELLAによる資格要件
金沢大学の総合型選抜の大きな特徴は、出願資格が特定のプログラム修了者に与えられる点です。
代表的なものに以下の制度があります。
KUGS高大接続プログラム
高校1年生から参加できるプログラムで、大学が提示する課題やレポートを提出し、一定の基準を満たすことで出願資格を獲得できます。
グローバルサイエンスキャンパス(GSC)
科学技術振興機構(JST)が推進する事業で、第一段階を修了した者に金沢大学総合型選抜の出願資格が与えられます。
STELLAプログラム
次世代科学技術チャレンジ事業の一環で、シニアコースCステージを修了した者が対象です。
これらの制度は、受験生が早期から大学レベルの探究活動に取り組むことを評価する仕組みです。
3.2 評定平均の基準と学域別の違い
金沢大学の総合型選抜では、方式や学域によって評定平均の要件が大きく異なります。
人間社会学域 国際学類・総合型Ⅰ
→ 調査書の主要5教科のうち1教科以上が4.3以上、または主要科目平均4.0以上、または全体平均4.0以上。
地域創造学類 総合型Ⅱ(共通テスト利用)
→ 全体評定3.5以上が必須。
A-Lympiad選抜(複数学域対象)
→ 数学・英語、または数学・理科で評定4.3以上。
学校教育学類 超然文学選抜
→ 英語評定4.3以上が求められる。
医学類・医薬科学類(A-lymp方式)
→ 学習成績概評A段階が条件。
「評定平均が不要」という情報もありますが、それは一部方式のみであり、実際には多くの学域で評定条件が設けられている点に注意が必要です。
3.3 併願可否と専願ルールの整理
金沢大学の総合型選抜では、方式によって専願か併願かが異なります。
専願型
→ 合格した場合は必ず金沢大学に入学する必要があります(例:一部の総合型選抜Ⅰ)。
併願可能型
→ 総合型選抜Ⅱやデジタル人材選抜Ⅱなど、一部方式では他大学や他方式との併願が認められています。
つまり、「総合型選抜=専願」ではなく、方式ごとに要項を確認することが不可欠です。
特に国公立大学志望者は、併願の可否が受験戦略に直結するため注意しましょう。
3.4 医学類など特定学域の地域制限・活動制限
金沢大学医学類のKUGS特別入試(総合型Ⅱ/地元育成枠)には、地域医療への貢献を前提とした厳格な条件が課されています。
対象地域
石川・富山・福井県の高校卒業(見込み)者に限定。
活動制限
医師免許取得後、金沢大学附属病院での臨床研修を経て、同附属病院または指定病院で1年以上勤務することが義務付けられます。
また、薬学類や医薬科学類でも、課題論文や研究計画を求められるなど、専門性と地域性を両立させた要件が存在します。
医学類の総合型選抜は、単なる学力試験ではなく「地域医療を担う覚悟」が問われる制度といえるでしょう。
▶ 書類の不備や準備不足でチャンスを逃さないために
志望理由書・活動報告書・課題レポートは、合否を分ける重要書類です。少しの記入漏れや内容の曖昧さが大きな減点につながることも。
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▶︎4. 金沢大学の総合型選抜に必要な出願書類
4.1 志望理由書と活動報告書の重要性
金沢大学の総合型選抜において、最も重要な出願書類は「志望理由書」と「活動報告書」です。
志望理由書では、受験生が「なぜ金沢大学を志望するのか」「どのように大学の理念や教育方針と合致しているのか」を具体的に示す必要があります。
単なる大学への憧れや学問的関心だけではなく、将来の進路・社会貢献までを結びつけて書くことが評価のポイントです。
一方、活動報告書では、高校時代の部活動・課外活動・ボランティア・研究活動などを整理し、自分の強みを裏付ける証拠として提出します。これらは面接や小論文のテーマとも関連して評価されるため、自己分析を徹底したうえで書類を準備することが不可欠です。
特に注意すべきなのは、内容が抽象的すぎること、自己PRが一貫していないこと、大学の理念に結びついていないことです。これらは大きな減点対象になります。
➡ 志望理由書の失敗例や避けるべきポイントについては、以下の動画が参考になります。
4.2 調査書・推薦書・英語資格証明書の提出条件
総合型選抜では、学力や語学力を証明するための書類も必要となります。
調査書:すべての方式で基本的に必要。成績評価だけでなく、学校生活での取り組みが反映されます。
推薦書:自己推薦型の場合は提出が求められることがあります。特に教育系・地域創造系では重視されやすい傾向があります。
英語資格証明書:人間社会学域国際学類や薬学類高大院接続入試など、一部の方式では英検やTOEFL、TEAPなど外部試験のスコア提出が必須、または利用希望者に限り提出を認めています。
英語資格の有無は合否に大きく影響することがあるため、早期からの準備が求められます。
4.3 学類ごとに必要な追加書類(課題論文・作品提出など)
金沢大学の総合型選抜では、学域・学類によって追加の書類が必要となる場合があります。代表例を挙げると以下の通りです。
理工学域 生命理工学類 → 課題論文の提出
学校教育学類(美術) → 作品提出、実技関連の資料
薬学類 高大院接続入試 → 入学意志確認書
医薬科学類 国際バカロレア入試 → 国際バカロレア資格証書・成績評価証明書
国際学類 → 航空身体検査第二種「適合」証明書
このように、学類ごとに必要な書類が大きく異なるため、必ず募集要項を確認し、追加条件に漏れがないかを確認することが重要です。
4.4 出願時に注意すべき書類不備・チェックポイント
総合型選抜では、書類不備がそのまま失格につながる可能性があります。
特に注意すべき点は以下の通りです。
提出書類は「記入漏れ」「押印漏れ」「コピーの不備」がないかを必ず確認する。
外部資格(英検・TOEFLなど)は有効期限内かどうかを確認する。
活動報告書は、裏付けとなる証明資料(大会結果、表彰状、証明書など)を可能な範囲で添付する。
提出期限厳守。郵送の場合は「消印有効」か「必着」かも必ず確認。
書類の完成度は合格可能性に直結するため、余裕を持った準備が最大のリスク回避につながります。
▶︎5. 金沢大学 総合型選抜の選考方法と試験内容
5.1 書類審査と面接(口述試験)の流れ
金沢大学の総合型選抜では、まず出願書類による一次審査が行われます。
志望理由書や活動報告書、調査書をもとに、受験生の適性や大学の教育理念との合致度が評価されます。
その後、多くの方式で面接(口述試験)が実施されます。
面接では以下の観点が見られます。
志望理由の一貫性
高校時代の学習や活動との関連性
将来の目標と大学での学びのつながり
論理的な思考力と表現力
面接は単なる人物確認ではなく、書類内容の真偽や深掘りを行う場であることを意識する必要があります。
5.2 共通テストを課す方式と合格基準点の目安
金沢大学の総合型選抜では、多くの方式で大学入学共通テストの成績が合否判定に組み込まれます。
その合格基準点の目安は以下の通りです。
人間社会学域 学校教育学類[石川県教員希望枠]総合型Ⅱ
→ 共通テスト合計約210点(70%以上)
理工学域の各学類 総合型選抜Ⅱ
→ 共通テスト合計約540点(60%以上)
共通テストは基礎学力を測るだけでなく、入学後の学習に必要な学力水準を確保しているかどうかを判断する材料となります。
5.3 小論文・課題レポートの課題と対策の方向性
一部の学類では、小論文や課題レポートの提出が求められます。
小論文が課される学域
融合学域、人間社会学域人文学類、医薬保健学域薬学類高大院接続入試、理工学域生命理工学類など。
課題レポートの特徴
単なる知識の記述ではなく、社会課題や学術テーマに対する「自分の考え」を論理的に展開することが求められます。
小論文対策では、①過去問分析、②新聞・学術記事を活用した知識習得、③論理的な構成練習が重要です。
「自分の経験や関心をテーマと結びつける力」が高評価につながります。
5.4 実技試験や研究発表が必要な学域の特徴
芸術系や専門性の高い分野では、実技試験や研究発表が課される場合があります。
学校教育学類(美術) 総合型Ⅱ共テ
実技試験(400点)+面接(200点)が配点され、実技の比重が大きい。
理工学域や医薬保健学域の一部
探究活動や研究成果の発表が重視される。
このように、学域によって「評価される能力」が大きく異なるため、事前準備として模擬発表や作品制作の計画が必要です。
5.5 教授による専門的質問への備え方
理系学域や医薬保健学域では、二次選考で教授からの専門的質問が行われることがあります。
探究活動や研究テーマに関する深掘り質問
基礎的な学問知識の確認
将来の進路や研究の方向性に関する意見
教授面接では「知識量」だけでなく「学びに向かう姿勢」が評価されます。
答えられない質問に直面しても、思考プロセスを示すことで高評価につながる可能性があります。
▶︎6. まとめ:金沢大学 総合型選抜で合格をつかむために
6.1 受験生に求められる資質と人物像
金沢大学の総合型選抜は、単に学力だけでなく、人物像や将来性を重視する入試方式です。
特に求められるのは次のような資質です。
主体性:自ら課題を見つけ、解決に向けて行動できる力
協働性:チームで活動し、社会に貢献する姿勢
探究心:学問や研究に対する深い興味と持続力
地域貢献意識:特に医学類などでは、地域社会への責任感が重視されます
「大学の理念に共感し、入学後も成長を続けられる人物かどうか」が最大の評価基準となります。
6.2 効率的な準備と早期対策の重要性
総合型選抜は、一般入試に比べて長期的な準備が必要です。
1~2年生のうちからの探究活動や課外活動が、そのまま活動報告書の材料になる。
志望理由書の作成には、大学のカリキュラムや理念を深く理解する調査が欠かせない。
小論文・面接練習は早期から繰り返すことで、表現力や論理性が磨かれる。
準備を直前に始めるのではなく、「高校生活そのものを総合型選抜対策として過ごす」意識が合格につながります。
6.3 直前期にできる最終チェックポイント
受験直前期は、過度に新しいことに挑戦するよりも、既に取り組んだ内容を整理・確認することが重要です。
チェックすべきポイントは以下の通りです。
志望理由書・活動報告書の一貫性は保たれているか
出願書類に不備はないか(提出期限・押印・証明書類の有効期限など)
過去問や模擬面接で想定外の質問にも対応できるか
体調管理や生活リズムの安定
最後に必要なのは「自分の努力を信じる力」です。
万全の準備を整えた上で、当日は自信を持って挑むことが大切です。
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